犬の去勢手術
去勢手術は望まれない妊娠を防ぐだけでなく、性的なストレスを軽減させたり、様々な性ホルモンが関わる病気を予防したりすることができます。当院では、陰嚢付近の皮膚を1か所切開し精巣を摘出する日帰りの処置です。潜在精巣の場合は2か所の切開となり、場合によっては1泊の入院をします。
どんな病気、行動が予防できるの?
- 精巣の腫瘍、疾患
- 前立腺肥大(症状:排便排尿困難、血尿など)
- 肛門周囲腺腫
- 会陰ヘルニア(好発犬種:ミニチュアダックスフンド、コーギーなど)
- 性ホルモンに関連した問題行動:尿マーキング(60%程度予防)、マウンティング(80%程度予防)、一部の攻撃行動(75%程度予防)、近くに発情したメスがいると遠吠えや脱走、破壊行動などがみられます。
手術のタイミングは?
当院では性成熟を迎える生後6か月を過ぎた頃から去勢手術を実施しています。精巣は生後1〜2か月程度までにお腹の中から外へ出てきて陰嚢のなかに降りてきます。正常に精巣が下降している場合は1か所の切開での処置が可能です。
精巣がおなかの中に残っているときは?
精巣が上手く陰嚢に降りて来なく、腹腔内や鼠径部に残ってしまう場合を潜在精巣といいます。お腹の中に残ってしまった精巣は腫瘍になる可能性が高いので去勢手術をおすすめします。切開線が2か所になり、場合によっては1泊入院が必要になることもあります。ごく稀に生後 6 か月齢を超えてから精巣が降りて来ることがあるので 1 歳前後まで待ってみても良いかもしれません。
男の子の場合は女の子のように早めの手術がより高い病気の予防効果を発揮するということはありませんが、マーキング行動やマウンティングなどの行動は去勢手術のタイミングが遅れて一度定着してしまうと去勢による改善効果が薄れるとされているので手術のタイミングをよく相談しましょう。
乳歯抜歯を去勢手術のタイミングで
乳⻭は生後約4〜7か月で生え変わるのですが、特に小型犬のように顎が小さくて⻭が密集しているワンちゃんは乳⻭が抜けずに永久⻭と2重に生えてしまうことがあります。特に犬⻭は根っこがとても深く、抜けないことがしばしばあります。そのまま残しておくと⻭石がたまりやすくなってしまうので、去勢手術の際に2重になってしまった乳⻭は抜⻭をしてあげましょう。
去勢手術費用に含まれるものは?
手術日当日の血液検査、レントゲン検査、点滴、手術費、入院費(必要な場合)、痛み止めの処方、術後服(場合によりエリザベスカラー)
* 費用は体重や精巣の状態によって変わりますのでお問合せください。
* 乳⻭抜⻭は別途費用が発生します。本数によって変わりますので当日ご相談下さい。
去勢手術費用に含まれるものは?
前日 21:00 ごはん終了。これ以降はおやつもなし。お水は飲んで大丈夫。
↓
当日 7:00 頃 朝起きたタイミングでお水終了
↓
9:30 朝ごはん食べずに来院(お預かり)
↓
血液検査・レントゲン検査・点滴
↓
手術
↓
夕方診察時間内でのお迎え(17:00~18:00 頃)
↓
10 日から 14 日後に傷口の確認と抜糸
↓
3日後からシャンプーOK!
手術後は…?
2、3 日はいつもよりおとなしくなることが多いですが、家で安静にお過ごしください。痛み止めを処方しますので手術翌日の朝に飲ませましょう。リードをつけての短い散歩は手術当日からでも行っていただいて大丈夫ですが、公園で走るなどの激しい運動は避けましょう。食事もいつも通り与えていただいて大丈夫です。術後服を着せてお返しいたしますが、抜糸までずっと着せておいてください。患部を舐めたり、ぬらしたりしないようにしていだだくことが大切です。
手術後は太りやすい?
成⻑期の終了によって必要カロリー量が減るのに加え、ホルモンバランスの変化で食欲増加傾向があるので太りやすくなることがあります。術後2日以内には食欲が20%も増加すると言われています。子犬用のフードはカロリーが高いので成犬用フードもしくは避妊去勢手術後用の低カロリー製品に変えると良いでしょう。
- お電話でのお問い合わせはこちら
03-6807-4058
受付時間:9:30-19:00 - お問い合わせはこちら
お問い合わせフォーム