甲状腺機能低下症
今回は高齢のワンちゃんに気を付けたい甲状腺についてのお話です
甲状腺とは
T4, T3とよばれる甲状腺ホルモンを分泌している内分泌器官です
甲状腺ホルモンは、ホルモン量の増減により代謝活性をコントロ
ールしています。
様々な甲状腺機能のうち、特に代謝に関わってくる熱産、タンパ
ク質産生機能に対して大きく影響が出てくると、甲状腺機能亢進
症、又は機能低下症になります。

機能低下症について
体内で甲状腺ホルモン(主にT4ホルモン)が不足することで発症
する、高齢のワンちゃんに多く認められる疾患です。
甲状腺機能低下症の原因は様々ですが、甲状腺組織の破壊によ
る原発性甲状腺機能低下症が主に認められている病因です。また現在日本国内ではT・プードル、・シュナウザー、・コッカー、柴犬などが後発犬種とされています。甲状腺の機能低下に伴い代謝活性が低下する為、活動量・顔・被毛などに以下の様な変化がみられます。

治療と発症後の生活
治療の基本は、甲状腺ホルモンの補充です
甲状腺ホルモン値の安定化を目的として、1日1回、又は2回の投薬を行います
治療開始後、約2週間後にホルモン濃度を測定し、ホルモン剤に対する治療反応や過剰投与による機能亢進症への移行症状がないか確認を行います
ホルモン濃度値によって薬を増減し、また症状やホルモン濃度値の改善が確認されない場合は、ESS、或いは他の基礎疾患との判別が再度必要になります
低下した甲状腺機能は回復しない為、生涯にわたるホルモン剤投与が不可欠となります
ホルモン剤投与による症状の改善と血中濃度の安定が認められれば、定期的な検診に移行し、治療継続となります
気になる症状等ありましたらご相談ください🐾