フィラリア症について

犬フィラリア症は、かの有名な忠犬ハチ公にも感染し、死につながったと言われているように、

かつては死因の大きな一つでしたが、今は正しくお薬をあげることでほぼ100%予防できます。

フィラリアについて

フィラリア症に感染している犬を吸血した蚊にさされることで感染します。感染したフィラリアの子虫は、2ヶ月ほどわんちゃんの筋肉内などで成長し、3~4ヶ月で心臓の血管に移動して寄生することで、様々な症状を引き起こします。成長したフィラリアは20~30cmほどもの大きさになり、感染後、約半年で子虫を産み始めます。

予防の仕組み

心臓の血管に移動してしまう前の子虫を駆除するお薬を飲みます。蚊を寄せ付ないのではなく過去1ヶ月の間に感染した子虫を駆虫するので、蚊が居なくなった1ヶ月後まで薬を与える必要があります。

投薬のタイミング

東京では4月から11月まで蚊がでているため、薬は4月下旬または5月頭から11月下旬または12月頭まで与える必要があります。年中投与していただいても大丈夫です。

なぜ抗原検査?

昨シーズンに感染している場合、成虫が産んだ子虫が血液内に大量に存在している可能性があります。その状態で予防薬を与えると、血液中の子虫が死に、毛細血管につまることでショックを起こしてしまいます。そのため、薬の飲みはじめに、昨シーズンに感染していなかったことを確かめる必要があるのです。

薬の種類

おやつタイプ (お肉の味がついているので、ご飯を食べるのが好きな子におすすめです。)

    ★ネクスガードスペクトラ (ノミダニ、フィラリア、おなかの虫の予防が1つになったオールインワンタイプ。)

    ★イベルメック (フィラリアとおなかの虫の駆除のみ。おやつが好きな子は、ノミダニの予防薬であるシンパリカと組み合わせておやつを2倍にできます。)

    ★インターセプタ (フィラリアとおなかの虫に。体重1kgの小柄な子にも与えられます。ノミダニ予防を併用しましょう。)

錠剤タイプ (味を好まない子には小さな錠剤を処方できます。)

    ★ミルベマイシン(フィラリアとおなかの虫を駆除できます。)

滴下タイプ (食べさせるのが難しい子の背中に滴らします。滴下後、シャンプーは24時間は控えます。)

    ★レボリューション (マダニ駆除のために同じく滴下タイプのフロントラインプラスを併用しましょう。)

注射タイプ

    ★プロハート (1年有効なので薬をあげわすれる心配がありません。)

猫もフィラリア感染?

猫の場合、感染後、多くのフィラリアの子虫は成長できずに死ぬのですが、死滅した子虫による肺へのダメージが大きく、呼吸器の症状がでます。もしわずかに生き残った成虫が心臓に寄生してしまうと猫ちゃんは重症になります。予防薬には猫用のレボリューションプラス(フィラリア、ノミ、マダニ予防薬)を使うのをお勧めします。